2022年09月28日

災害への備えと、タンク付きトイレの安心感

こんにちは、大林です。

先週の静岡県全域を襲う、大雨がかつて経験ないほどに酷く、心落ち着かない時間でした。 皆様の地域はいかがでしたか?

今回の大雨で被災した皆様に心より御見舞申し上げます。

 私は土曜日の朝に所用で県東部に向かったのですが、流れた泥のせいか路面が茶色だったり、もちろん渋滞もありましたし、トイレ休憩をしようにも断水だったり、非日常のことが起きている実感はありましたが、報道が進むにつれて想像のはるか上のレベルの水害および断水が起きていることを知り、胸が締め付けられる思いがしました。


9月初旬の大雨の際に、あまり報道はされておりませんでしたが、我が家を含む細江町の一部で断水がありました。

 仕事の出先から戻ると、上下水道部の公報車が断水のお知らせをしておりました。 「えっ?断水?」と信じられない思いで、蛇口をひねりました。 もちろん出ません。

 停電も辛いですが、水が出ない絶望感もひょっとしたら初めての経験だったかもしれませんが、「どうしよう?」と非常に心細いものでした。 こんなときに限って前夜は、シャワー使用だったので湯船にお湯がありません。

 ミネラルウォーターの買い置きはあるものの、トイレを流す水や手を洗う水の必要性はあまり真剣に考えていなかったように思います。

 トイレの排水については、水流の勢いがないと流れないと思っている方もいらっしゃいますが、電気仕掛けや水道の水圧ではなく、基本的には水の重さで流れるため、水面に水を注げば流れます。 実家が太陽熱温水器を使っているのでひとまずタンク一杯分の水をもらっていました。

 大変汚い話で恐縮ですが、日中は私と休暇中の次男だけの在宅でしたので、「水は限られているので、2箇所のトイレをそれぞれお互い専用とし、「小」は毎回流さなくても良いことにしようぜ。」と、非常時の節水の密約(?)を結びました。 それくらい、水が止まっている事実が心細かったのです。

 そのうち、近くの幼稚園で給水が始まり、これは長丁場になりそうだとタンクを持って給水に行きました。 テレビで見たことのある給水車から給水を受けるのは、おそらく初めてだったと思います。

 その後、幸いにも断水開始から12時間ほどで断水から復旧したのですが、半日ぶりに蛇口をひねったときの、濁り混じりの茶色い水でも感動的だったことは脳裏に深く刻まれました。 今回被害の大きかった、静岡市清水区でも一刻でも早く水が届いてほしいと願うばかりです。

夏の問題は追って考えるとして、冬は家の中の乾燥防止も兼ねて、残り湯は防災用に貯めておくほうが良さそうです。




 あと、ちょうど値上げ前の便器の発注用にカタログを眺めながら、「タンクレストイレもデザイン的に優れているが、昔ながらのタンク付きトイレの安心感も見直すべきだな。」と変な気づきもありました。 たった1回でも流せるか流せないかの安心感は大きく違います。 男性でも女性でも人間の尊厳にもつながる大問題です。

「雨水タンクは、ボウフラの温床になるのでやめた方がいい」と、よく聞くのですがこちらの必要性ももう一度考えて、採用を検討する必要があるなと感じました。


 被害がないのが一番ですが、備える習慣も忘れないようにしなくてはいけませんね。

大林勇設計事務所
  


Posted by 大林勇設計事務所 at 11:47日々のこと

2022年07月13日

自分たちらしく暮らしたい家族のお手伝い。

こんにちは、大林です。

 梅雨が明けたと思ったら、また雨。梅雨明け宣言、先走りすぎたのでは?疑惑。 それにしても午前中は晴れていたのに、夕方からゴロゴロ、雨がザー、のケースが何度かありましたね。

さて、先日模型を作ってみました。



 既成のプランをベースにササッと図面をアレンジし、CGのパースを見せて合意、というのが世の中の過半数の流れかと思います。

 ですが、私にとってはそれでは少し物足りない。 依頼主家族が一生暮らす家ですからね、ここ一番の大事なときは超アナログのマニュアル作業で、カッターと接着剤でじっくり検討しながら模型を作って打ち合わせしています。

 あれやこれやと家族会議していただくには、やはり図面では難しく、1,2階を外せる模型で検討するのがいいのではないかと思います。

 依頼主とは土地探しからのお付き合いで、検討中の土地が別の不動産屋にかっさらわれる、とか、検討中の土地が突如消える、とか、アクシデントの連続でしたが、何度目かの正直で私も依頼主も気に入った土地に出会うことができ、設計の作業中です。

 既成のありふれた間取りに暮らしを合わせるのではなく、自分たちの暮らし方、立地、に合わせて、どんな家が欲しいのか、ウンウンと唸りながら家づくりを進めていくのが当事務所の好きなスタイル。

 構造計算と断熱等級の調整を進めながら、ただいま工事の準備です。 今回もいい家になりますよ。


大林勇設計事務所  


Posted by 大林勇設計事務所 at 11:39共通

2022年06月07日

東海道を走りながら、まちづくりの妄想。(車に轢かれないように注意!)

こんにちは、大林です。

昨日は、我が家の周りでは軽めの台風のようなひどい雨風でした。 皆様のところはどうだったでしょうか?

割と軒を長めに出しているためか、我が家は安心感があります。 干しっぱなしで忘れていた、庭で取れたにんにくもセーフでした(笑)

さて、一人で勝手に行っている「東海道ウルトラマラソン」も2回を数え、新居宿から宮宿(名古屋)、舞阪宿から島田宿を制覇し、箱根を越えて徐々に江戸に向かうのが今後の楽しみです。






こんな石畳の道も進み、昔の旅人のような気持ちで脚を進めます。


走っているときに、街並みや家の観察をするのが楽しみ。 やっぱり私は、建築が好きなのです。 これは職業病ですね。




 でも、どうせ家を建てるパートナーならば、建築が好きな人の方がいいと思いませんか?  悪意はありませんが例えるならば、魚が嫌いな寿司職人とか、ベジタリアンの焼肉屋さんとか、・・・どうですか?ちょっと違和感ありませんか? やっぱり自分が大好きで美味しいと思うものをお客様にも美味しく味わっていただきたい、そんな気持ちって当たり前のことだと思うのです。

 熱意のあまり、話がつい逸れました(笑)。


それで、現在のバラバラな街並みを見ながらトコトコと走り、どうすればいい街並みができるのか、みんなが来たい場所、住みたい場所ができるか、なんて妄想をしながら、車に轢かれないように走りながら考えるわけです。


東海道沿いではないのですが、ぽっと頭に思い浮かぶ気になるまちづくりエリアを3つ、メモ代わりに張っておきます。興味を持つ方が増えるといいな。

まずは、遠いですがトップバッター。

①岩手県紫波町(しわちょう)のオガールタウン https://ogal.info/ 

岩手県の小さな町の町おこしプロジェクトとでも言うのでしょうか。公と民がソフトとハードの両面で連携し、町民の人間力が街の魅力に輪をかけて膨らませ続ける、夢のある農村都市の姿です。 本を読んだのが大分前なのでうまく説明できていないか? まあ、私が一番行きたい街であることは確かです。

HPに掲載された概要によると、

>>引用
オガールのユニークポイント
・都市と農村の暮らしを「愉しみ」、環境や景観に配慮したまちづくりを表現する場にすること理念にしています。
・「町民の資産」である町有地を活用して、公民連携手法を用いながら財政負担を最小限に抑え、公共施設整備と民間施設等立地による経済開発を進めております。
・「ピンホールマーケティング」により、紫波町やオガールの特色を生かしながら、新しいライフスタイルを提案し続けます。
・「オガールエリア・デザインガイドライン」を定め、人と環境に優しい統一感のある景観で、住みよいまちを目指しています。

<<引用終わり

とのこと。 本を一冊読んだ程度の私が偉そうに語ることではないですが、行ってみたいと思わせるまちづくりを継続されているようです。 継続というところが大事で、〇〇センターのような箱物をドカンと作って終わっている自治体がほとんどでは?

HPによると視察もキッチリお金を取るところが好感が持てます。 貴重な知識の蓄積は、タダではありませんし、まして成功例ですから当然の授業料です。

大学の研究室の後輩ファミリーも紫波町に移住したようなので、行ってみたい町。


さて、次は
②東京都世田谷区のボーナストラック https://bonus-track.net/

これは、建築雑誌で見た、一種の「まち」です。 小田急線が地下を走ることになり、新たに生まれた地上の空間を活用する企画とのこと。 商店街を作るに当たり、ありきたりのチェーン店を入れないようにした話に「なるほど」と感じました。

HPによると

>>引用
■ボーナストラックって?
ボーナストラックは2020年4月に下北沢に誕生した、みんなで使い、みんなで育てていく新しいスペース、新しい “まち” です。下北沢駅と世田谷代田駅のちょうど中ほど、「下北線路街」のエリアの一つとして産声をあげました。

ボーナストラックには、飲食店や物販店に加えコワーキングスペースやシェアキッチン、広場といった、この場所を訪れる人自身が、この場所のカルチャーを新たに作っていくひとりになるような、そんな仕掛けをたくさん用意しています。
<<引用終わり

コロナの影響もあり、しばらく都内にも行っていない気もするので、ここは早いうちに行きたいところです。

さて、最後の一つ
③大阪府大東市の「morinekiエリア」 公式リリース張っておきます。
 https://matituku.com/wp/wp-content/uploads/2021/03/1ae4441eaaf96fbd04f1afd5ffc215cb-1.jpg

兵庫県の松尾設計室のfacebookページで存在を知りました。情報ありがとうございます。

「morinekiエリア」とは大東市と民間企業が連携してエリア開発をおこなった、住宅・お店・企業が集まる複合施設の総称とのこと。

このエリアは市営住宅の跡地で、大東市と大東公民連携まちづくり事業株式会社がエリアの整備を行ったそう。

まだ、情報収集は足りませんが、この3ヶ所は私だけでなく、行政の方にも是非是非見ていただきたいところです。

長くなりました。今日はこのあたりで。


大林勇設計事務所  


Posted by 大林勇設計事務所 at 18:39共通日々のこと

2022年05月18日

東海道を新居関所から名古屋まで走ってみた。

こんにちは、大林です。 

今日は、久しぶりに気持ちよく晴れ。仕事の合間に芝を刈りました。


さて、今日は少し前ですが、GWに東海道を新居関所から自分の足で走って熱田神宮まで行った話を。
なお、今年から5/3は独断で「東海道53次の日」に制定しました。




 いま、「はっ?」って言いましたよね? たぶん「飛脚かっ!」って突っ込みましたよね?
まあ、普通言いますよね。 画像で見ると自分でも驚きます。

 GWですし、普段やらないことをやってみたいな、というのと、私が高校で深く印象を受けた恩師(古典の先生)が4月に急逝されたこともあり、古きを訪ねる冒険みたいなことが無性にしたくなったのです。

 「田舎の中学校で多少優秀でも、北高に行けば油断したらあっという間にビリだぞ。」と中学の先生に冗談交じりに脅され、無事浜松北高に入学し、1年2年と連続で担任してくださったのが、急逝されたノリオ先生。  めっちゃ怖いけれど、私にとってはとても印象深い恩師だった。

 こっちは、田舎からドキドキしながら通っているのに、文法のカ変だのサ変だの、活用を暗記して指名されたら答えられないと立たされる。 これって、今はアカン指導なのかな。 当時は、この緊張感が嫌いではなかったけどなあ。 
必死で覚えたので30年以上たった今でも、何だか覚えていないけど「かろ・かっ・く・い・い・けれ」とか、怖い顔と一緒に無駄に頭に浮かんでくるんだよなあ。

 あと、徒然草だよね確か、「仁和寺にある法師」って話。  そのなかに「徒歩よりもうでけり」という言い回しがあり、何だかゴロが好きでよく覚えている。 「かちよりもうでけりの「けり」の品詞は何?、活用は何型だ?」なんて、授業中に当てられるとドキッとした記憶あり。

 そんな断片的な思い出もチラッとあり、恩師の供養気分で「徒歩より詣でけり」をしてみた。 私にとっては石清水八幡宮ではなく熱田神宮だったけど。

「東海道」という響きは、静岡県民には当たり前すぎて、新鮮味がないのです。
県民にとってのお茶とみかんのような存在、あって当たり前みたいな感覚。 違う?でも、東海道線の色はオレンジと緑で常にそばにある感覚。

帰りは、JRか名鉄で戻ってくることが前提の鉄砲玉のような東海道ランを少し紹介。


まずは、江戸時代の旅人気分で、朝の6時前に新居関所を出発。


走ると行っても、旅であり、小さな冒険ですからね、やっぱりワクワクするわけですよ。


この旅籠「紀伊国屋」を出発した設定で、てなわけで。


旧東海道は、割と丁寧に看板があり、ある程度の予習は必要ですが、辿ることはさほど難しくは有りません。


潮見坂という言葉は国1だったり、国1バイパスだったりで頻繁に口にするのですが、旧道の潮見坂を走るのは初めて。本当に海の様子が見えるんだなとちょっと感動。


二川の街も何度も通過したことはありますが、線を辿ってここに辿り着く感覚が新鮮。

 本当は行けるところまで行って足が動かなくなったら名鉄でもJRでも乗って帰ろうかと思っていたのですが、線をつなぎながら所々に残る昔の名残を探す感覚に、どハマリし、なんとか東海道の愛知県側を一気に制覇したくなりました。 行くぞ名古屋まで。


ワクワクしながら走っていると、写真を撮るのも面倒になり、いつの間にか豊川市の姫街道との合流地点到着。 ここから我がふるさと、細江町につながっているのだな。


御油の松並木という言葉は、昔から聞いたことがあったのですがここだったのか。  現存する立派な松並木。


赤塚宿に現存する、尾崎屋。 ガラッと板戸が開くと着物を着た人たちが出てきそうな風貌。


岡崎市にある、藤川宿の案内看板。 走っているので、当時の旅人の3倍速くらいで進行中のため、次から次へと宿場が現れます。 一里塚も数え切れないほど。 ここは自治体のやる気が見えていました。


ざっくりと、岡崎市中心部に昼までに着きたいなと思っていたところ、11時半に通過。 岡崎の街は、観光に力が入っていると見えて好感が持てます。くねくねに曲がった当時の東海道を看板で表記し、迷路感覚で楽しませてくれます。


私が、仕事柄すっかり気に入ってしまったのが、岡崎市の公園、籠田公園。

パッと見て楽しそうじゃないですか。 既製品の遊具をポンポンと並べた公園ではなく、使う人のことを考えて設計されている様子がビンビン伝わってきます。


2月に妻と、有松までドライブで来て、絞り染めの巾着袋を買って愛用しているのですが、なぜかまた来てしまいましたよ。それも自走で(笑)。


そして、ついに夕方。 東海道の愛知側の終点、宮宿(熱田神宮付近)の七里の渡しに到着。 ここから三重県の桑名に船で渡る(七里=28キロ)のが当時のルートでした。

GWの真っ只中ですが、バイパスの渋滞を後目に倍速で昔の旅人気分を味わいました。 

点と点ではなく、連続した東海道めぐり・・・これはちょっと面白いですよ。

定年後の御夫婦が地図片手に歩く気持ちが分かってしまった49歳(苦笑)。
 
沿道の住宅も撮りそびれましたが、ヒントの宝石箱やー!、と言ったとか言わないとか。
趣味と仕事の両面で東海道に魅せられましたね。
今まで、軽く扱ってすいませんでした、東海道先輩!と謝りたい気分。

つくづく自分のことながら建物やまちづくりが好きなのだなと、10時間走りながら実感しました。

次回は、浜名湖の今切の渡しで対岸に渡った設定で舞阪宿から東に向かってスタートです。いつになりますかね。

大林勇設計事務所  


Posted by 大林勇設計事務所 at 17:28共通日々のこと

2022年04月19日

コンパクトに建てるのは、いかが?

こんにちは、大林です。

ウクライナ侵攻の映像、日々胸が痛くなります。 


 同時に建築業界では多かれ少なかれ、ロシアが今まで木材供給の役割を担っていたことがジワジワと市場に影響を与えています。


 私が自宅を建てた2011年は、東日本大震災の影響もあり資材が高騰しましたが今回は特に合板類がそれ以上に値上がりしており、平時の倍の印象です。 と言っても、合板だけで家が建つわけでは無いので、それほど悲観しないように心がけています。


 それよりもプランの無駄をなくすことが大事。 無駄をなくしても「あそび」や「ゆとり」は残す。


 材料高騰の折、仮に税込の目安が1坪あたり工事費が80万円と仮定します。ということは、プラン用紙のマス目1マスの91cm四方で約20万円。 マズいプランの典型の、個室を廊下でただつなぐパターンの場合、1~2坪の無駄が簡単に発生します。  それだけでなんと、100万円オーバーのロス。 




 当事務所の考える、コンパクトないい家の基本方針は、廊下を減らしてホール状の中心スペースにポコポコと個室がつくイメージです。 ただ、中心スペースにトイレがいきなりくっつくのは流石に具合が悪いので、部屋の特性により適度な距離感を持たせながらまとめています。

 あと、大切にしたいのは、後で簡単に交換できない部分にお金を掛けること、構造、断熱、窓ですね。 足に直接触れる床が冷たいと言うのは、特に冬場はツラいですよね。

 逆に言えば、照明や住宅設備は消耗品なので、あとで交換が可能と割り切る。最近、私はアマゾンエコーを使ったスマートホーム化を始めたのですが、E26型のスマート電球を使える照明器具であれば、電気工事のスイッチ工事も安価な片切スイッチで済みますし、必要にして十分。

 柱と梁の見える真壁構造であれば、ドアの追加も後でも可能。 優先度の見極めが大切なのです


また、長期優良住宅を始めとする「優れた住宅」のお墨付きを受けた住宅は、地域型住宅グリーン化事業の対象になれば、太陽光発電をしなくても今年度も100万円オーバーの補助金が付きます。 

いただけるものはキッチリと頂きつつ、プランとコストの同時コントロールで、質を落とさずにコンパクトな家を是非どうぞ。

大林勇設計事務所  


Posted by 大林勇設計事務所 at 16:42共通

2022年04月13日

気賀の「まち」が元気にならないかな。

こんにちは、大林です。

こちらのブログを使うのは、そういえば久しぶりです。



 WEBで著者に興味を持ち、細江図書館で借りてきました。 先程、借りてきたところなので、まだ読んでいません。

 前もどこかで書いたかもしれませんが、図書館は大好きです。昔に比べればネット予約ができるようになったこともあり、かなり便利になりました。 あまりに好きすぎて、感謝も込めて浜松市図書館の雑誌スポンサーにもなりました。 2図書館分の「チルチンびと」の年間購読料を先程払ったところです。

 話はそれましたが、私は細江図書館に行く際に決めていることが一つありまして、行きと帰りに違う道を通ることです。 大げさに言えば、気賀の「まち」の観察です。

 本書に付いての言及はさておき、最近「家」と同時に「まち」をすごく意識しています。「まち」は、町と街の漢字があるので敢えてひらがなにしますね。

 つい先日、私にとっては衝撃的な出来事が起きました。

とある文具屋が建物とも消えておりました。

 書いていて自分でも驚きますが40年近く前の小学校通学時、朝の登校前に三角定規を買いに行ったこと、昔はプラモデルやプラカラー買ったなあ、など、気賀小に通学していた子なら、店の名前はもちろんのこと、おじさんの顔まで鮮明に思い出せるほどの存在感でした。 

 ネット通販が普及し、どんなにマイナーな商品でも2日くらいで手元に届く現在、品揃えも少ない小規模リアル店舗は、難しいのだろうなと分かってはいるのですが、淋しく思います。

 田舎町には小洒落たカフェがポコっと1軒建っても、一時は賑わうかもしれませんがなかなか経営の継続が難しくて、日常使いのお店がやはり必要なのかな。 若い世代は車で買いに出てしまいますが、免許を持たない高齢者にはやはり徒歩圏内に商店が必要。 ただ、商店も維持できるほど来客も売上もない。

 私の妄想ではありますが、日替わりの移動店舗が空き地に回ってくると面白いかな、あるいは東京の「喫茶ランドリー」のように私設公民館的に長く滞在できる場所で、他の業態と兼務で何か商売をするとか。

 固定の場所で単一の商売という時代は、初期投資も固定資産税などの負担も大きく、すでに難しくなっていて、所有をしない「サブスク」感覚のほうが営業的にも動きやすいのかなと思います。

 人が使わないときに使う視点で見れば、平日の公園の駐車場なんて、広大な空き地同然で、宝の山に見えます。 あとは、ランチ営業とディナー営業の合間の飲食店とか、何か兼用できない?とか。 

「まち」も「ひと」も元気にするためには、ハコや公園を作る以前に、プログラムづくりが必要なのだろうな、まだまだ妄想を続けます。


 



 興味深い新刊、今の私の妄想にぴったりかも? 買ってみようと思います。

大林勇設計事務所 
  


Posted by 大林勇設計事務所 at 11:57日々のこと

2021年10月01日

在宅勤務のスペースを考える

こんにちは、大林です。

 今日から10月。 
昨日が上半期の最終日だったこともあり、学生時代の友達から予想外の転職のお知らせがあり、びっくりしたところです。 

 今日書こうと思ったのは、コロナ禍での建主さんのリクエストで「ワークスペース」が増えてきたこと。

 コロナ前は当事務所でも、ワークスペースや書斎をリクエストする方は本格的に論文を書く研究者の方に限られておりました。 しかし、この一年は確実に変わったなと言うのが私の実感です。

PC娯楽スペースや音楽部屋のような感覚ではなく、明らかなリモート時代の仕事部屋の要望が増えています。

 仕事ではないですがそういう我が家でも、今日まで次男の学校のリモート授業があり、先生の声が居間から聞こえてきます。(私のプリンターをWifiで使うため、仕事場の隣の居間で勉強中)


当事務所でワークスペースを作るために最近気にしていることとしては、

・無線LANが主流でも、有線配線、将来用の空配管は用意しておきたい。

・光ファイバーの最初の取り出し口をここにまとめる手もあり。

・カウンターの下など、プリンター置き場も配慮。

・目の前に壁があるならば、ディスプレイの壁固定も検討したい。(デスクが広く使え、便利なのでオススメ)



・静かな方がいいので日中家族が使っていない部屋(寝室とか)の隣がいい。(ウォークインクロゼットの一角というのもGOOD)

・洞窟のようなスペースだと疲れるので、外の景色が見られる窓や自然給気口が必要。

・単独でエアコンを設置するには狭い場合は、隣室とつないで利用できるようにしたい。

コロナ禍が終わっても、在宅勤務がゼロになり、元に戻ることは無い気がします。
東京のオフィスも縮小の流れもあるようですし、会社は事務所家賃を削減できますし、社員は通勤時間を削減できます。

働くことが新しい時代に転換したことを実感します。

大変だと皆が言いながら、コロナの存在を受け入れ試行錯誤しながら過ごしている現在は、あとで歴史的に見ると大きな転換点になりそうですね。



なお、新築時の私の仕事場はこんな感じです。 現在は建築の本で一杯です。 棚板の間隔に若干の改善点はありますが、収納量に救われています。

大林勇設計事務所
  


Posted by 大林勇設計事務所 at 11:49共通

2021年09月10日

いつの間に、浜松市HPに地番図が登場!

こんにちは、大林です。

暑いわー、オリンピックだわー、パラリンピックだわー、と言っているうちに、もう9月(笑)。

我が家では、2学期というワードはすでに無くなり、前期後期の学生生活のようなので、あまり実感が湧きませんが秋が近づいていることは確かなようです。

今日の話題は、地番図。ほとんどの方には、関係のなさそうな話ですが・・・。

なんと、浜松市の地番図が無料でWEBで閲覧できるようになったよ、というお話です。

あくまでも、公図ではないよ、参考ですよ、という話(建前?とも言う)ですが無いよりはかなりマシで、知っていて損はないかと。

これが9/1から始まったサービスのようです。

最近、市役所で閲覧し、350円払った後に、目の前の張り紙を見てびっくり。

「それ、はよ言うてや! 一番知りたかったやつやん。」と、何故か、ここだけインチキ関西弁が出てしまうほどのタイミングでした。



浜松市HPの地図情報サイト

これは、私のような仕事や不動産、銀行関係の方には、大ニュースです。

 今まで敷地確認の際には、住居表示しか分からない土地の場合は、公図(350円/枚)を取得して地番を調べ、土地台帳や登記簿謄本を取って、所有者を調べていたのですが、浜松市HPから地番を調べて、有料ですが、法務局のオンラインサービスか、民事法務協会の一時利用を使用すると、法務局や役所に足を運ばずに、敷地調査の一部が可能になります。

コロナ禍ですので、わざわざ出向かずに済むのであれば、業務の効率化ともに感染リスクの低減策としてありがたいことです。
私が作ったわけではないですが、すごく便利なのでプロの方も一般の方もご利用ください。

大林勇設計事務所  


Posted by 大林勇設計事務所 at 09:25日々のこと

2021年03月29日

巣立ちの春。出会いの春。

こんにちは、大林です。

昨夜の大雨にはびっくりしました。 スマホのアラームにドッキリさせられた皆様、睡眠足りましたか?

各地に大きな被害もなく、春の嵐が通り過ぎたようでひとまず安心しました。



 週末は,私のSNSのタイムラインには、アチコチの桜の写真の合間にお子さんの巣立ちを見送った報告がチラホラとありました。 親の誰もが通る道だと分かっているものの、なかなか胸が締め付けられる思いですよね。  送られて出る方は割とアッサリしたものなんでしょうけどね(笑)。



銀行に行くついでと称して都田川の堤防の桜チェック。



私が子供の頃、この堤防の脇の幼稚園に通っていたこと、私も子供らも中学の通学路だったこともあり、春といえばココというマイスポット。


カメラは割と持ち歩くので、先日は踏切の音を聞き慌てて小走りで気賀駅に向かうと素敵な一瞬に出会えることもしばしば。

朝の情報番組も今日から模様替えしたようだ。

実質的に今日から令和3年度かな。 さて、大人も子供も頑張りましょう。

大林勇設計事務所  


Posted by 大林勇設計事務所 at 16:57日々のこと

2021年03月12日

子供部屋の将来的な使いみちって・・・

こんにちは、大林です。

もうそろそろ春ですね。昨日、庭のエゴノキを見ると小さな葉が芽吹いておりました。



 2020年の3月は、ダブル受験の長男の進路が決まらず、1月に進路を確定させたお気楽な次男以外は悶々とした時間を過ごしておりました。 その後、月末ギリギリで行き先が決まり、無事に大学生になり自宅を離れ、元気に過ごしています。

家族全員で住む時間って意外とあっさり終わることを身を持って知りました。 頭では理解していたんですけどね。

 ただ、本来寮生活だった次男もコロナ禍で寮滞在が短く、一気に夫婦二人生活に戻るはずが、3人生活の時間が長く、始まってしまえば割と平穏な一年だったのかも。

で、何を書こうと思ったかと言うと、子供が巣立った後の子供部屋の使いみちのこと。

 我が家では、間取りの都合上2階に風呂洗面があり、2階のちょっとしたスペースで物干しをしています。そして、その横に巣立った長男の部屋があり、現在ではほぼ家事室として洗濯物を畳んだり、アイロンを掛けたりしています。 設計した当時は、あまり考えていませんでしたが、日当たりもいいし、花粉の心配もないし、これはこれでいいかなと。

 水回りまですべて1階に集めるプランは、割と一般的ではありますが、おのずと2階は個室だけというパターンになりがちです。 そうなると将来的には完全な物置となることは容易に予想できます。 緩やかな階段とセットで2階水回りを採用することも家づくりには「有り」かな、と思います。 うーん、家づくりは奥深い。 本日はこの辺で。

大林勇設計事務所  


Posted by 大林勇設計事務所 at 09:53浜松市・まかないや(賄家)