今なら自宅はこう建てる!後編

大林勇設計事務所

2023年02月10日 19:17

こんにちは、大林です。

関東では大雪とのこと、今日は少し冷えますね。

前回は、もし今から自宅をまた建てるとしても変わらずに採用すること、なんてプラスの話ばかり書きましたが、やはり改善点はあります。

正直なところ、外部の開口部ですね。

 当時は、まだ主流でなかったこともあり、樹脂サッシには手を出さずにLIXILの当時の新製品サーモスLを採用しました。 デザイン性はとても良いのですが、窓から逃げる熱の割合は、壁よりも多いためやはりアルミサッシでは限界があります。

 今ならば、YKKapのAPW330で樹脂スペーサー指定の高性能ガラスを基本としたいところです。 ただ、味わいも残したいので気密性能は劣りますが、写真のような木製建具は何箇所か残します。 片引きで全開ができ、木製雨戸、木製網戸、通称吉村障子も加えた、職人さんの手仕事満載のこだわりの部位。


(新築当時の我が家)

 あと、この場所に限らず開口部の大きさと個数と位置は今も昔も悩むところです。

 四方八方に窓があれば、夏だけを考えれば風は抜けます。 ただ、一般的に窓は、壁よりも断熱性能は劣りますので窓が多いほど熱の逃げ場所は増えます。 それに日射による熱取得の問題も特に夏の西日は顕著なため、西側の窓を減らすのもプランによっては一つの解法かとも思います。 効果のある場所にどう窓を切るか、設計の技量が表れる場所です。

 あと、当時は普通に流通していたジャロジー窓。我が家ではダブルジャロジーというガラスが二層のものを採用しました。便利ですが、熱性能と気密の悪さから、市場から消えたように思います。 これは、反省点です。

もう一つは、トイレです。

 当時も今もタンクレストイレが主流で、1階のトイレはLIXILのサティスを選びました。機能に全く不満はないのですが、以前のお客様で便座機能部が壊れたときにすでに便座の部品がなく、便器ごと全交換した方もいらっしゃいました。

 タンクありタイプの便座は一般的に2つ穴で固定されて汎用性に富んでいるため、長い目で考えるとタンクありタイプでいいかなと今なら思います。 形状も掃除しやすく変わっていますし、値段も安価な傾向にあるようです。

 ちょうど、今度完成見学会をさせて頂くお住いが、トイレ問題と西窓問題をクリアしていて、私のモヤモヤを振り払ってくれた気がします。

 自分自身で設計して住むことにより、経験値は上がっていきます。 いつまでも向上心と好奇心を失わずに設計の腕を磨きたいものです。

大林勇設計事務所

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