大工さんの言い訳

大林勇設計事務所

2012年04月16日 17:15

現場で棟梁に会うと、バツの悪そうな顔で、

「昨日、手すりの加工やっておこうと思ったんだけど、やってなくて。」と、宿題を忘れた子供のような言い訳。

「まだ、時間あるからいいですよ。」と私。

「地元のソフトボール大会があってさ。みんな調子よくてさ、予選から決勝まで上がって、それで優勝しちゃってさ。」

「それでどうなったの?」ついつい話を引き出してみると、

「みんな喜んじゃってさ、急遽祝勝会になってね。」

「でもさ、棟梁飲まないじゃん。」と面白半分に聞くと、

「飲まないって言っても、オレ監督だったから祝勝会行かないわけに行かんのよ。」
とのことで、本日残業で階段手すりの加工をしてもらいます。

棟梁は高校時代、野球部だったのでかなりソフトボールも上手く、大活躍したのでしょう。
お酒を飲まずにシラフで楽しめる能力、素晴らしい。




現場では、大工が養生を除去し、掃除もしていました。
この工務店は大工がガラスも拭いたり、清掃も行っています。
今週末は私が施主さんと床塗装することになっています。


2階の窓の外にはちょっとした手すりを。

これも既製品ではないので、バルコニー手摺などと一緒に鉄工所に頼んで作ってもらった一品生産の手摺です。溶融亜鉛メッキ加工をした骨組みに杉材を取り付けています。
亜鉛を溶かしたプールにチャプっと漬ける、防錆効果を考えた加工で、通称「ドブ漬け」とか「ドブメッキ」といいます。

これ、何で亜鉛なのかと言うのが大事。他の金属ではダメなの?ということです。
ダメではないですが、コスト、扱いやすさ、化学的性質の点で亜鉛がベストなのだと思います。

「イオン化傾向」が亜鉛と鉄で異なることが重要ポイントです。

めっきについて(ユケン工業(株)さんのHP)

もちろん高品質のステンレスであればいいのでしょうが、コストと他とのバランスで大抵は亜鉛メッキを採用しています。
スキー場のリフトの材質は大抵これです。


本日は建具屋さんも登場で大賑わいでした。

大林勇設計事務所

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